全曲試聴を開放した昨晩から、既にたくさんの方に試聴音源を耳にして頂けているようで、感謝しきり興奮しきりの真っただ中でございます。
今回は、先日ほいみんさんが綴ってくれた記事の第二弾ということで、自分も深く制作に携わらせて頂いたヒュムノスの二つについて、ちょいちょい綴ってみようと思います。
■Tr4. EXEC_with.METHOD_METAFALICA/. ~at A.D.3310~
当CD、当企画の目玉、あるいは中核とも言えましょう、EXEC、METHODに続く三つめのMETAFALICA/.。それがこのEXEC_with.METHOD_METAFALICA/.です。
詩としての機能や構造は設定資料集の方に載っているのでそちらを参照して頂くとして、このウィズファリカ、実は制作に相当の時間を費やした一編であります。
それもそのはず。まずは曲についてですが、文字で見るとさも当然のようにお聴こえになられるかもですが、EXECとMETHODそれぞれのメタファリカ自体は最初から完全に独立した楽曲として制作が進められていました。
要は、withという完成系を最初に用意してそこからEXECとMETHODを切り出す、という手段を敢えて選ばずに、EXECとMETHODを個別に用意した上で、そこからwithという一つの詩へと編み上げる、という過程を敢えて選択したのです。
これには、METHODの作曲およびwithの構成を担当したHullさんのご尽力に依る処が大変に大きく、夜皇禰さんの描かれたEXECファリカがまさに昇華されるが如くしてwithに編まれていく様は、その過程を見ていた身としても、それこそ身の震える想いだったというものでした。
メタファリカの作曲を担ったお二人には、この場を借りて改めて感謝の念を述べさせていただきます。素晴らしい仕事を本当にありがとうございました!
では何故我々は一連のメタファリカを紡ぐにあたってそのような手順を踏んだのか、という説明の前に、ではwithの詞の方は一体どうやって紡いでいったのか、というお話を少々。
withの作詞については、ネネシャパートをFuさんが、インフェルパートをkairiが、それぞれのパートをそれぞれの感性で独自に紡ぎ上げるというスタンスで詞を書き進めて行きました。
詞は頭から最後まで徹頭徹尾、一行一文逐一意志疎通を図りながら並行して書き進めることをしていたため、作詞という無音的作業の中にありながら、作詞担当のそれぞれがまさにwithファリカにおける「合体」という要素を疑似体験しながらの"ウタ的"作業(?)となっていたという、そんな印象がとても強かったです。
これから皆様のお手元にCDの音源と、そしてブックレットを眺める機会が訪れた時、withの曲と詞にそんな背景があったんだなと少しでも感じて頂ければ、もしかしたらwithファリカの「合体感」がより感じられるかも知れませんね。
端的に言えば、私達は制作の手法そのものから、メタファリカにおける「合体」という要素を追求することを選んだのです。
一つから二つへと分離することを、よもや合体とは呼びません。あくまで独立した二つが一つに重なるからこそ、それは共鳴であり、合体であると考えたのです。
作詞という作業をしている時、こういった些細とも思えるニュアンスの違いは、しかし明確に詞の表情に表れます。
"一つになる"という前提が強すぎると、それぞれの詞だって、単なるつじつまあわせの産物になりかねない。そんな想いが自分の中にありました。
無論、それだけで通せるほど単純な作業群でなかったのも事実でしたが、それでも私達は頑なにネネシャとインフェルのアイデンティティを守った上で、それを一つに結びつける、という作業手順を選んだのでした。
結果、こうまでに独立した二つのメタファリカが、そしてこうまでに結束した一つのメタファリカが、ここにこうして出来上がったのでした。ちゃんちゃん。
曲の内容について言及してしまう is ネタバレなので、こうして作業背景的な感じの中身にせざるを得なかった訳ですが、なんかこう、一人で勝手に思い出しては勝手にしみじみする感じの何かになってますね!なってます!
■Tr5. METHOD_MESSELA/.
このメッセラというヒュムノス。ここをご覧になられている諸兄姉の皆様におかれましては、あるいは当CD企画が発足するずっと前から、頭のどこかに引っかけていたキーワードの一つなのではないでしょうか。
インフェルが"謳ったかもしれない"とするこの禁忌のヒュムノスは、レプレキアと並び軍事的要素を色濃く孕んでいるであろうインフェル・ピラのモードの一つであり、そのあまりに道徳や倫理を踏みにじる効果から、後の世では禁じられたとまで謂われています。
そんな大それたヒュムノスを、しかしインフェルは謳うことを選んだ。そうせざるを得なかった理由とは、果たして何なのか。
既にお察しの方は、言わずもがなですね。お察しの方も、あるいはそうでない方も、withファリカからどうしてこのようなヒュムノスに繋がってしまうのかを、その曲や詞や歌唱から、深く深く噛み締めて頂ければ幸いと思っています。
このメッセラ、実は企画発足当初の自分が、数ある楽曲の中から最も作詞したいと願っていた一曲でした。
自分自身、「インフェルはメッセラを謳った」という認識がずっと自分の中にあって、それを形にできたらどんなに素敵なことだろうと常々思っていたのです。
無論、それは私自身から見たインフェル像の、更にそこから紡がれた数あるメッセラ像の一つに過ぎないと見るべきでしょう。
それでも私は、こうしてその想いを形にできる幸運に恵まれました。ならばと思い、私は自分の思うインフェルの限りを、このメッセラという詩の一つにぶつけさせて頂いたのでした。
その中身について、ここで多くを語ることはしないでおきます。どんな曲調で、どんな詞で、どんな謳われ方をしていて、どんな感情がこもっていて――これら全て、実際に皆様にフル版を耳にして頂いた時にこそ、各々の心の中でご自由に感じて頂ければ一番であると感じています。
なんか思い出回顧録みたいな空気が漂ってしまってますね。前回のほいみんさん回が主に曲と歌唱についてのことが中心だったので今回は詞とかその辺を中心に綴ろうと思っていたら、詞というよりもなんかこう、当時の想いが再燃してきたというか、
やっぱり思い出回顧録でした!
さて、これにて単独の楽曲とキャラの紹介については 完走した、ということになりますね。
お次に相見えるとすればクロスフェード音源の更新の時でしょうか。とはいえ次回、次々回で更新が終わるようなことはないと思うので、その辺も含めてこれからの続報をお待ち頂ければと思います!
もっさり記事ですみませんでした!
それではまたまた!
kairi